割れ鍋に綴じ蓋

作品の感想などを気ままに。BLが苦手な方はご遠慮ください。

「ブライト・プリズン 学園の薔薇は天下に咲く」感想

もう冬ですね。私の苦手な季節です。暑いのはまだ耐えられるんですが、寒いのはダメです。乾燥もひどいし…。でも作品の中には季節が印象的なものもたくさんあって、その作品に思いを馳せると寒さにも耐えられる気がします。冬が舞台の作品、探そーっと! 

 

今回はこちら。シリーズ10冊目「ブライト・プリズン 学園の薔薇は天下に咲く」です。

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薔と共に厳しい教祖選を勝ち抜いた常盤は、ついに新教祖の座を手に入れた。短いながらも甘い、二人だけの時間を過ごし、すべてが順調に見えたその時……常盤の体が龍神に乗っ取られてしまう! 薔は龍神の寵愛を得ながらも本物の常盤を求め、消えたとされる常盤の魂を取り戻すことを決意する。そのためには、龍神と教団を結びつける、初代教祖・竜花が残した契状を見つけだし、破棄するしかなくて……!!

(「ブライト・プリズン 学園の薔薇は天下に咲く」あらすじより) 

前巻で教祖となった常盤。しかし常盤が龍神に乗っ取られてしまう。薔は常盤を取り戻すことができるのか!?今回はハラハラしっぱなしでしたね~。すごく面白かった!

※ネタバレしないように気を付けてはいますが、ダメそうなら教えてください。

 

あらすじからそうなんだろうなとは思っていましたが、今回は本当にが大変でした。まだこの後も大変なんでしょうが…。しかも常盤は体を龍神に乗っ取られてしまったため、ほぼ不在(´;ω;`)助けてくれる人も少なく、孤軍奮闘しなくてはならない場面も多くて本当に「常盤帰ってきてあげてよ…😢」と何度思ったか。見た目だけは常盤な龍神相手にいろいろするたびにでも中身は常盤じゃない…と虚しくなる。薔の精神力の強さ、常盤を想い信じる気持ちの強さにあっぱれ!です。

 

9巻までも薔と常盤には様々な試練が降りかかってきましたが、それでもこの二人なら乗り越えられるだろうと思って読んでいたところは正直ありました。でも10巻では相手が人間ではなく龍神。ファンタジー色がより強くなったように感じられたこともあり、終始ハラハラしっぱなしでしたね~。

その一方で序盤は龍神は怖い存在だと思っていたんですが、読んでいくと意外と素直なところがありましたね(笑)

 

そしてなんといっても剣蘭がかっこよかった!巻を重ねるごとに男前になっていく剣蘭でしたが、そのかっこよさは今回でさらに磨きがかかったのではないでしょうか。機転が利いて本当に頼もしい!命の危機に何度か見舞われたり、薔を好きな事をばらされたりしてしまいましたが…。

報われない恋に身を投じている剣蘭が少し可哀そうだななんて思わなくもないのですが、それとは別に剣蘭と薔のコンビが結構好きなんですよね。昔からライバルとして切磋琢磨してきて、贔屓生になってからは御三家の子供として他の皆より秘密を知っている立場で、そして何より生まれてすぐ取り換えられたことによって人生を大きく変えられた二人。この二人ならではというか、同級生でライバルで秘密を共有する協力者同士みたいな剣蘭と薔の間にしか成立しえないこの関係性がすごくいいですね。まだしばらく苦難の日々が続きそうな気配がプンプンしますが、どうか剣蘭も幸せになってくれ~!!

 

物語や作中の環境が大きく動いたことによって、今回はいろんな人が登場した気がしましたね。楓雅、榊、椿、茜、白菊などのお馴染みのメンバーは勿論桃瀬や杏樹も久々に登場しました。今回の杏樹は薔にとって束の間の清涼剤のようでしたね。以前からあざとい小悪魔な雰囲気を持っていながら物事の本質を捉えていたりと身の処し方が上手い印象はあったのですが、10巻での彼の気づかいは薔だけでなく私の心もほっこりしました。

 

龍神と南条兄弟との面会から物語がさらに加速していきましたが、ここが本当に辛かった…(´;ω;`)。さん…(´;ω;`)

つら…と思いながら読んでいると何でも知っている龍神から様々な新事実が!?ちょっと意外な事や「お前~~!!(# ゚Д゚)」な事もあり。そしてやっぱり榊さんすごく好きだなと再確認する事にもなりました。常盤の体を乗っ取った龍神と対峙して倒れるほど辛いのに、それでも自分の事より楓雅の事を優先したりとか…。龍神に対してお願いしたあの言葉で泣きました。楓雅・榊・椿が好きな人はぜひ読んでほしいです。

 

椿の前世の記憶もここで絡んできましたね。まだ何か掘り下げのある部分だろうと思っていたので非常に気になります。詳しくは11巻で明かされるのでしょうか。

そしていつもの!最後の最後で衝撃展開!!先生にまんまとしてやられた~!1~9巻までの積み重ねがあった上でのこの10巻の内容、そしてこのラストですよ。順に読んでいくからこそのシリーズものの面白さですね。

 

9月13日に行われたブライト・プリズンの朗読劇もリアルタイムで楽しむことができました~!キャストの皆さんのお芝居が素敵で最高の時間でした。まだまだハマって日が浅いですが、いいタイミングで読み始めることができてよかったです。1巻以降の内容も音声で聞きたいのでぜひシリーズ化してほしいですね~。後日届くCDとSSも楽しみ!そして何より11巻の発売が今から待ち遠しいですね!それまで既刊を読み返して待っておりま~す(^▽^)/