割れ鍋に綴じ蓋

作品の感想などを気ままに。BLが苦手な方はご遠慮ください。

「ブライト・プリズン 学園に忍び寄る影」感想

8月になりました!やっと梅雨明けしましたね!私は夏が好きなので、ようやく夏らしい夏になるのかなーと楽しみです。今年の夏休みはあってないようなものですが、何でもいいので夏を体感できることをしたいですね。あつ森で花火大会行くか!(笑)

 

今回はこちら。シリーズ6冊目「ブライト・プリズン 学園に忍び寄る影」です。

ブライト・プリズン 学園に忍び寄る影 (講談社X文庫)

華やかな文化祭が催された王鱗学園では、薔を含めた贔屓生一組に恐ろしい災厄が降りかかろうとしていた。陰神子の存在を疑う教祖が、立会人の前での公開凌辱により龍神を降ろす「肉体審問」の儀式を、贔屓生一組の三人に対して行うと宣言したのだ。常盤に対し敵愾心を燃やしている教祖候補ナンバー2の葵の策略によって、常盤が打つ手は次々に潰される。苦難が続く中で、ますます離れがたい想いを深めてゆく常盤と薔は…。

(「ブライト・プリズン 学園に忍び寄る影」あらすじより) 

早いものでブライト・プリズンシリーズの感想記事も6つ目です。今巻ではとうとう北蔵家の嫡男・葵が初登場!楽しい文化祭だけでは終わらず、またも薔と常盤の二人に危機が迫ります。

 

今作の始まりは楽しい文化祭から。贔屓生たちはカフェを開くことになっていました。だから表紙の薔はギャルソンの格好をしているんですね!可愛い(^▽^)XSサイズを嘆く白菊も可愛い。

ここでのの優しさよ…。本当にいい子過ぎる。茜の好感度も留まることを知らない!それにしても椿もいろいろと追い詰められていたのは分かりますが、薬を盛ったのは本当にやってはいけない行為だったと改めて思います。自分がされて嫌だったことを他の人にやってはいけない。何より自分が一番身をもって理解していたはずなのに。

剣蘭白菊の関係性もまたいいですね。薔は何となくのレベルで感じていたことを断言でいちゃうこの感じ。好きだな~。この二人の関係性は恋愛には発展しなさそうだけど、それがいいですね。このまま兄弟のように親友のように大人になっていってほしい。

 

そして、剣蘭は学園に姿を現さなくなった椿の行方を気にしていました。ここの常盤と剣蘭の主従(と言っていいのかな?)関係、個人的に好きです。恋愛感情や友愛などとは違う形でこの二人もまたお互いを大切にしていますね。常盤や椿のために自分の気持ちを隠し通す剣蘭、いい男だよ…。かっこいいよ!

 

剣蘭が去った後、は時計塔にやってきた常盤と束の間の逢瀬。相変わらず二人はラブラブでとても癒されたんですが、ここの薔の反応にはちょっと笑いました。ゴムがあった方がいいって言われてしょげている常盤を想像すると…(笑)

 

柏木が紫苑の世話係として相応しいかどうかを確かめた後、高速上でカーチェイスを仕掛けられる常盤と青一。ここで北蔵家のが初登場!同じ教祖候補でも榊さんとはタイプが全然違う!常盤とのやり取りでも刺々しくて敵対心がむき出し。今後も何かと常盤の邪魔をしてきそうな予感がプンプンします。それと、高速でカーチェイスをしてはいけません!

 

そして文化祭当日。贔屓生カフェに常盤が来たり、久しぶりに剣道をしたりと満喫した時間を過ごした薔たち。来る次の儀式の日に向けて断食をする贔屓生一組の3人ですが…剣蘭の気持ちが薔へ向きつつある!?常盤という存在がいますから薔とどうこうという展開はないと思いますが、またも剣蘭は報われない恋へ身を投じることになるのでしょうか…。

 

6回目の儀式では二人でお風呂&添い寝。たまにはこういうのもいいね。常盤から薔へと語る中で葵の生い立ちが判明しますが、この人も複雑な事情を抱えている模様。

ところで時々常盤って天然ボケみたいなの、かましてきますよね?天然ボケというかちょっとズレてるというか…。わざとなの?以前も薔を抱いている時だったかな?薔の頭が綺麗な形になるようにした…みたいなことを最中に考えててちょっとびっくりしましたよ(笑)

 

6回目の儀式の翌朝、突然降龍殿に乗り込んできたのは教団本部から来た侍従たち。そして贔屓生たちに肉体査問の危機が!いまだ教祖は常盤を疑っているんですね。2巻では杏樹に体を調べられたことがありました。その時は常盤が最愛の弟を守っていることが疑われているんだなーと思っていましたが、薔と常盤がここまで追及されるのはそれだけじゃなくて薔が南条家の三男だからだったんですね。これは今だからわかることだなと。

ここで抗議した薔めっちゃえらい!こんな状況でも常盤との未来を考えて冷静に発言できたのすごいです。

 

夜自宅で於呂島からの連絡を待っている常盤のもとに来た1本の電話。それはからのものだった。榊は薔を神子にしないでくれと常盤に告げます。常盤も榊と楓雅の病状を知らないということは、この兄弟はそれだけ徹底して隠してきたってことですよね。この二人の兄弟愛もまた素敵です。その反面、教祖はその事実を知らされていないということから南条家親子の関係性が窺えるというか…。確かに今まで読んできて教祖に良い感情は抱いてないですけども。

 

6回目の儀式の際に侍従たちが来たと思ったら、今度は教祖代理として葵が学園に!葵のもとに出向く前の二人のやり取りが好きです。薔が常盤に守られる存在ではなく、お互いを支える対等な関係性にどんどんなってきているように感じますね。

そんないい雰囲気の後に嵐はやってくる…。肉体査問の危機を乗り越えたと思ったら、葵の策略によって公開儀式が行われることになってしまった!これは今までの中でもかなり危ない展開。葵の手回しがなかなかに用意周到でごまかしもきかない。

薔を他の男に抱かせなくてはならない、しかしそんなことは絶対に常盤の独占欲が許さない。さらに薔のことを守るのは当たり前であると共に剣蘭も守りたい、でも二人を助ける術が容易には思いつかない。ここの常盤ほんとしんどい…。

 

自宅マンションへ帰りついた常盤を駐車場で待っている人影が。それは木蓮に変装をした椿。椿は公開儀式の際、自分が薔を抱くことを提案しに来たのでした。常盤はこの提案を断ります。初耳でしたが、神子が神子を抱いても龍神は降りないんですね。この危機を乗り越える唯一の方法にも思える提案でしたが、実行しないことが全員の幸せにつながる手段でもあったと思います。常盤は薔を他の人間に抱かせたくない、勿論薔も常盤以外に抱かれたくない、椿だって薔を抱きたい訳じゃない。「クズだと思っているので」のセリフは椿が言うと説得力ありますね。

 

贔屓生二組の儀式の前日、薔は茜に体育祭の後の事件の真実を話す。ここの茜の笑顔が眩しい…!二人の間のギクシャクが解消されてよかった。薔と茜もこの友情を保ってほしい!二人は親友になれるよ、もう親友だよ…(´;ω;`)

剣蘭から公開儀式の事を聞いた薔は常盤の元へ。教祖の存在がある限り薔が狙われると考えた常盤は教祖暗殺を決意する…!

 

うう、いつも以上にダークな感じの終わりです…。二人は教祖を手にかけてしまうんでしょうか。でも共犯者という言い回しはいいですね。同じ罪を背負うという意味合いが含まれていてここでも二人の対等さが感じられます。

話は変わりますが、ブライト・プリズンの朗読劇が9月13日にあるそうです!

豪華キャストによる朗読劇です!こんなに面白いからCDでも聞いてみたいなーと思っていた矢先の音声化!楽しみですね!すでにチケットは購入済みです!

それでは次回「ブライト・プリズン 学園の王に捧げる愛」の感想記事で!