割れ鍋に綴じ蓋

作品の感想などを気ままに。BLが苦手な方はご遠慮ください。

「ブライト・プリズン 学園の薔薇と秘密の恋」感想

9月になりました。本当に今年は月日が経つのが例年より早く感じます。最近は今月のブライト・プリズンの朗読劇のような、オンラインや配信でのイベントが多くなってきましたね。自粛の傾向が強かった時期から様々な企画をしてくれていた各公式さんには本当に感謝です。つくづく私はエンタメに生かされてるなーと思いました。今月はとにかく13日が楽しみです!

 

今回はこちら。シリーズ8冊目、「ブライト・プリズン  学園の薔薇と秘密の恋」です。

ブライト・プリズン 学園の薔薇と秘密の恋(講談社X文庫)

王鱗学園に衝撃が走った。教祖の逝去と、それに伴って慌ただしく始まった新教祖選。南条家の楓雅、北蔵家の葵、そして西王子家の常盤が候補に挙がる。 教祖候補として多忙を極める中、薔薇の咲き乱れる温室で薔との逢瀬に溺れる常盤。一方、薔を守るよう常盤の命を受けた剣蘭は、薔への恋心を募らせていく。 様々な思惑が交錯する中、常盤の勝利と学園改革を願う薔の一途な祈りは、龍神に届くのか!?

(「ブライト・プリズン 学園の薔薇と秘密の恋」あらすじより) 

前巻の終わりで教祖選に挑むことになった常盤と薔。ついに御三家の教祖候補たちがぶつかります…!

 

様子のおかしい、遅れてくる竜虎隊。どうやら普段通りの朝ではなく…?

ここの言い合いする剣蘭と白菊可愛い。それと言われてみればそうだなと思ったんですが、前回の最後で二人が抱き合ったのは確かに薔の部屋でした。読んでた時は気にしてなかったけど普通だったら周りに音とか声聞こえますよね。全然気づいてなかった。そしてその対策として全員を眠らせた常盤めっちゃ大胆だな。そして剣蘭~。めっちゃ薔の事意識してますやん。

 

学園内で教祖が亡くなったことが告げられる。常盤のわずかな時間の密会。常盤は南条家と協力して教祖選へ挑む。

以前から思っていたのですが、薔は相手に心配をかけないようにだったり、周りから不審がられないようにだったりと今自分がとるべき態度をとっさに考えてそのように振る舞うことが多いですよね。ここでも薔は自分の父親の死にそれほど揺らいでいない姿を演じています。不正をしている(あんまりこういう言い方はしたくないんですが)代償とはいえ毎度毎度大変だし、えらいなと。それと同時に自分の認識が少し間違っていたかな?とも思いました。シリーズの最初の方の感想では薔は感情のままに行動することが多いというようなことを書いていたと思いますが、薔は私が思っていたよりも思慮深い子なんだと。薔が賢くて年齢以上に大人だということは分かっていたはずだったのですが、このような描写の積み重ねを経て改めて薔の魅力を再確認できましたね~。

 

常盤と別れた後、薔は楓雅と話す。

人と人の関係は難しいですね。良かれと思って言ったことがまた相手を傷つけることになりうる。さらに楓雅との束の間の別れ。悲しいですね…。3年は長いですよ。そして教祖選では候補者が3人で同時に神子を抱くということを知ることになる薔。前回は公開儀式のことで常盤が葛藤していましたが今度は薔が葛藤する番に…。楓雅さんは緊張して抱けないふりをしてやり過ごすと。楓雅と椿が好きな私的には良かったねと思うところですが、一概に良かったとは言い切れないのがこれまた難儀な話ですね。

 

二人が話しているところに剣蘭も合流。この3人は皆榊さんの弟なんだな。なんかいいですね。剣蘭は榊さんが病弱なのは知ってても命に関わる病とまでは知らないんですもんね…。でも確かにここで徒に情報を知って不安になっても何もできないし、もどかしいです。

二人の話の中で茜が北蔵家のスパイなのでは?という疑惑が持ち上がる。そういえば茜は補欠として贔屓生になったんでした。薔・剣蘭の出自は分かっていますが他の贔屓生たちはどうなんでしょう。気になります。

 

教祖の献花の儀の際に楓雅が候補者として教祖選に挑むことが発表される。

表向きは三つ巴の戦いなのにその実態は2対1。ちょっとさんの立場が不憫というかなんというか…と思っていたら葵さんの方も何か秘策があるみたい?やはり一筋縄ではいかなそうな人です。

常盤は西王子一族出身の神子・桃瀬の元を訪れ、教祖の死についての真相を知る。

まあ、教祖が神子たちに見限られるのも自業自得かなって気はします。それよりも思っていた以上に教祖選が難航しそうですね。葵の秘策、銀了や蛇藤、前教祖たちの思惑などの要素が絡んできた時投票結果はどのようなものになるのでしょうか…。

 

舞台は再び学園へ。茜は北蔵一族の人間だった。

茜の母親の容態を使って脅すのは本当にひどい。それでも3人の友情が確かなものでよかった。茜は本当にいい子だな~。そして剣蘭かっこいい!薔への想いはいまだ消えていない様子ですが、薔は薔で恋愛感情とは全く違うけれど特別な感情を抱いていますね。薔は常盤の恋人で剣蘭の想いが叶うことはないのでしょうけど、それでもこの二人の一言では言い表せない関係性も好きですね。

 

献花の儀の夜、常盤はと楓雅の二人と会う。

前教祖が病床でした約束を榊さんと楓雅さんが正式なものとして常盤に改めて約束してくれて…。榊さんは本当に長生きしてほしいな。ぜひみんなでクルージングに行って…(´;ω;`)

 

独り寝の夜に耐えられなくなった薔は学園に戻ってきた常盤と密会。

二人とも小石をぶつけようと考えてたの可愛いなあ。一本釣りって表現もなんか可愛い。そしてやっぱり薔はつくづく龍神お気に入りの神子なんだなと実感する運の強さですね。でもそのおかげで二人きりで会うことができたのだからいいか♡二人ともお互いに相手不足だっただろうし。そして薔は教祖選でお前を抱くと言われて本当に嬉しかっただろうな。ここの常盤はすごく男前だった!

 

剣蘭は逢瀬の後の薔と常盤の前に姿を現す。

何度も言ってるけど剣蘭はつくづくイイ男だなあ。周りの状況を読み取って、自分がとるべき態度をとって…。薔にとっては良き友人、常盤にとっては良き弟。そんなポジションの剣蘭も素敵だけど彼自身の恋が成就するところも見てみたいなあ、なんて。でも常盤に抱かれた後の薔の姿を見ていろいろと妄想しちゃうところも年頃の男の子っぽくて好き(笑)苺ちゃんなんて急に呼ばれたらそりゃ薔も変な顔するわ(笑)

 

何回目だよって感じだけど、やっぱり私はこの作品の複雑な人間関係が好きですね。上でもちょっと書きましたけど、薔と剣蘭の関係性もやっぱりすごく好きで。作中でこの二人にしか共有し得ない感覚や思いがあるのがすごくいいですね。共に教団の裏側を知って協力し合う仲間のような関係性、お互いにライバル意識を持っている友人としての関係性、片思いの関係性などの様々な関係性が重なるのがまた面白いです。CP以外の二人でもこんなに濃密な関係性があって、だからこそ些細なシーンでもニヤリとできるような描写がたくさんあって読み進めるのが楽しいですね~。

 

ついに教祖選当日。常盤のプロフィールを見た薔は衝撃を受ける。

常盤ーーーーーー!!!!!(# ゚Д゚)

さっきはすごくかっこよかったのに!最後で締まらないよ常盤!ただでさえ薔はバレないか不安なのに。いや多分紅子がやったんじゃないの?と思ってますが。やりそうあの人。

 

やっぱり今回も最後までハラハラ、というより最後の最後でとんでもない爆弾落とされて終わりましたね。常盤には早急に弁明をしてほしいものです(笑)そして!10巻が発売されましたね。でも私の手元にはまだ10巻が届いていません😢早く届いて~!早く読みたい!!

それでは次回「ブライト・プリズン 学園の薔薇と選ばれし者」の感想記事で!(発売までに既刊の感想あげられませんでした…orz)