割れ鍋に綴じ蓋

作品の感想などを気ままに。BLが苦手な方はご遠慮ください。

「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」感想

2月15日に公開された「囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather」を見てきました。

アニメ映画化の報を聞いた時から楽しみに待っていました!

待った甲斐のある作品だったと思いました。

公開初日に見に行ったのですが、見終わってすぐに「もう一回見たい…!」と思い後日また見に行きました(笑)

ネタバレしまくってるのでこれから見る方はご注意を!記憶違いで間違いがあったらすみません。

 

 

 

 

映画の始まりは原作コミックスと同様に「Don't stay gold」から。

おお~囀るの世界が映像として動いてる~!!とまず感動。

久我が矢代の部下たちをタコ殴りにしているカットが原作のコマ割り再現!こういう演出好きです。今作ではこういう演出がこの後にもいくつかあって嬉しかったですね。

影山が久我の腹に一発入れて場面転換。この後は影山の家かな…

 

と思っていたら…

あれ!?影山と久我もう恋人同士になってね!?( ゚д゚)

 

まさかの二人のエピソードほぼ全カット…!?

嘘やん…と映画館でいきなり衝撃を受けました。

ちょっと幸先悪いのでは…(失礼)と思いましたがそれは杞憂でしたね。

 

映画は非常に原作に忠実に作られていました。

原作の序盤は矢代と百目鬼の出会いや事件の導入などで構成されているため、会話が中心となるものでしたが約一時間半全く飽きずに楽しめました。

丁寧なつくりにとても感動したんですが、原作に忠実ということは…

 

そう!矢代という人間を描くにあたって無視できない性描写です。

もうすごかった…!R-18ってすごいね…。

こちらもほぼ原作通りに描写されておりました。

映画館の大きいスクリーンで大勢で見ているのはなんだか不思議な気持ちになりましたが…(笑)

私はBLCDを好んでよく聞く人間なので、声がついていることに衝撃を受けるというよりも、BLCDでいつも聞いている絡みに映像がついてる…リアルになってる…!という視点でドキドキしてしまいました。

 

映画を見て映像化ってすごい!と一番思ったのは百目鬼の手の動きですね…!!!

シャクられている百目鬼が矢代の髪に触れる描写があるんですが…

 

手の動きが雄弁すぎる!!!

頭への気持ちがだだ漏れている!!!!!

 

見ててたまらんなと思っていました(笑)

百目鬼はそっと触れているようなイメージだったんですが案外さらさらと堪能していましたね(笑)

映像になるとこういう部分がわかっていいですね~。百目鬼は手の動きだけでなく、視線の動きとかもわかりやすくなっていたし。

 

もう一つ映像化っていいなと思ったのは、百目鬼が「こんなに綺麗な男がいる世界なら~」というシーンでの矢代。

壁に寄りかかって煙草に火をつけさせる矢代が本当に綺麗で…。

原作でもここの矢代は読んでいて綺麗だなあって思っていたのですが、光の演出なんかも相まって映像でも最高でしたね。

 

矢代といえば竜崎とのシーンも私は好きでしたね。

妖艶というのはちょっと矢代を表現するのには似合わない言葉かなと思うのですがそんな感じというか…妖しい感じ?色っぽかったです。

竜崎は映画でも相変わらず怖かったですね…(笑)

でも私は矢代と竜崎の関係好きです。この二人も腐れ縁みたいなある種の親密さみたいなのがあっていいですよね。竜崎の一方通行な気もしますが。

 

矢代の過去を描いた「漂えど沈まず、されど鳴きもせず」は部分的に描かれていました。

停学明けの矢代と影山の会話や、コンタクトケースをこっそり持ち去るシーンなど。

予告を見るに第2章でもこのエピソードから抜粋されるシーンはありそうなので、そのあたりについてはまた2章の公開後に。

 

本編全体はシリアスですが、ところどころ挟まるコミカルなシーンも良かったです。

七原が矢代にぼこぼこにされるシーンとか虎柄の服とか。

あと、冒頭の矢代が「影がよかった~」と言うシーンの顔とか。ぷうーってしてました(笑)

 

それからすごく嬉しかった演出が一つ。

警官の格好をした百目鬼が便所のドアの前で座ったまま寝ているシーンです。

百目鬼のそばにしゃがんだ矢代が顔を近づけて…っていうシーンですね。

原作を知っている人は何が嬉しかったのかわかると思うんですけど、原作のコマ割りのまんまだったんですよね!!

この構図は後々に効いてきますし、最初にも書きましたけどこういう原作再現めっちゃ好きなんですよね~!

テンションすごく上がりました。

 

すっごい細かいので仕方ないことなんですけど、ここ映画でも見たかったなーと思ったのは映画館でのシーン。

レモンスカッシュを持って戻ってきた矢代はぐちぐち言いながらも可愛かったから許すと言う場面です。

映画では百目鬼への文句しか言っていなかったんですが、原作だと映画館の受付の兄ちゃんに対しても文句を言っているんですよね。

まあ受付の兄ちゃんは話の本筋には何にも関係ない人物なのでカットされるのは当たり前なんですが、愚痴3に対してデレ1みたいな配分?が矢代っぽいなと思っていて。

普段から部下たちには横暴だし、本心をなかなか人に見せない人だからこそ、ここの可愛かったと百目鬼に言うシーンになおさらぐっと来たんですよね…。

でもこのたった数言のセリフの為に受付の兄ちゃんまで登場させていたら尺足りなくなっちゃいますね(笑)

 

映画のラストはまあここで切るよねってところで終わっていました。

原作知らない人だったら続きがすごく気になる終わり方だと思うし。

幕引きとともに矢代が泣くのがよかったですね…。

矢代のモノローグのどうしようもない感じというかもの悲しさというか…。

そのままエンドロールで主題歌が流れて…という感じで見終わった後も余韻がすごかったです。

 

自分の好きな作品が映像化したときに、制作陣にも大切にされて作られたんだなあと感じられることは本当に幸せなことです。

第2章の制作や「Don't stay gold」のOAD化も決まりましたし、今後の展開もますます楽しみです!

原作の続きも早く読みたい!7巻が待ち遠しい!首を長くして待ってます!

 

 

余談なんですけど、矢代の車のナンバーが "11-846" でした。846(やしろ)ですよね(笑)