割れ鍋に綴じ蓋

作品の感想などを気ままに。BLが苦手な方はご遠慮ください。

「ブライト・プリズン 学園を追われた徒花」感想

気づけばもう7月がすぐそこに…((((;゚Д゚)))) 早くない!? 2020年、もう半分終わっちゃうの? それこそ今年は何にもしてないような気がしますね。もっと時間を有意義に使った方がいいのでは…と思いつつも、やっぱり本読んだりゲームしたりする時間が私にとって一番有意義な時間の過ごし方です☆(勉強しろ)

 

今回はこちら。シリーズ4冊目、「ブライト・プリズン 学園を追われた徒花」です。

ブライト・プリズン 学園を追われた徒花 (講談社X文庫)

降龍殿での事件から数日後。精神的ショックによって声を失った薔は、学園内の病院に入院していた。一方、教団本部にいる常盤は、冷遇されている元陰神子・紫苑に同情を寄せる。優しい常盤へ叶わぬ恋心を抱いてしまった紫苑は、託宣を得る儀式に耐えられないほど苦しんでゆく―。罪の意識に囚われた常盤を、さらに杏樹の言葉が追い詰める!窮地に陥った愛する常盤を自らの手で救うため、薔は危険を冒して学園脱出を図るが!?

(「ブライト・プリズン 学園を追われた徒花」あらすじより) 

今回の舞台は学園の外!前巻の事件がきっかけで声が出なくなってしまった薔と学園を出て教団本部にいる常盤と離れ離れな二人ですが、互いを想う心は変わらず、いやむしろより強く!?そんな二人にまたも試練が降りかかります。今回は本当に薔、よく頑張った!

 

 

しょっぱなから別の場所にいる常盤。常盤は教団本部の地下に囚われている元陰神子・紫苑のもとへ。

初登場の紫苑。前巻からその存在は明かされていましたが、中々に可哀そうな境遇の人です。そんな紫苑をほっとけない常盤、優しいですね。そして優しくしてくれる常盤に紫苑は恋心を抱いてしまうのです。常盤、めっちゃモテ男ですね!いろんな人をその気にさせすぎじゃ~ん!でもまあ本人がそう仕向けているわけではないから仕方ないね。そうはいっても紫苑に恋情は抱いていないと示す言葉はそれなりに残酷でした。はっきり言わない方が誠実ではないと思うから、それ自体はしょうがないですけどね。紫苑の立場になってみると…。

部屋に戻ると竜虎隊隊長代理を務めている椿の姿が。しばし大人の時間です(笑)また書いてるけどやっぱりこの二人の微妙な関係好き♡

紫苑の世話をする描写が多い今巻ですが、紫苑を通して見ているのは陰神子であることが発覚してしまった場合の薔の未来なんですよね。そして椿の未来も。陰神子二人を身内に抱えている身ですから常盤は…。大変。二人を守ってあげてほしいです。でも椿は楓雅に任せた方がいいんじゃない!?椿のことも大切に思っているのはよく分かってるけど、常盤が誰よりも幸せにしたいのは薔でしょ?両手に花は無理よ!そこのところどうなんですか常盤さん!

 

そして常盤は教団本部では出会うことのないはずの人物・楓雅と出会います。薔のために教祖の息子である自分自らが常盤を学園に戻すよう進言しに行くと。

も~本当に楓雅さんイイ人な!本当に陽だまりのような人だ…!常盤もなんだかんだ楓雅の事を認めているのでしょうね。癪なんだろうけど。

でもここの二人のやり取り読んでて改めて思いました。常盤と楓雅は薔と椿の二人という要素を介してなんとも複雑で微妙な関係性になっているなと。常盤にとって薔は最愛の恋人で自分が大切に大切に育てた弟で、椿は過去に関係を持っていたこともある従兄弟で。楓雅にとって薔は可愛い後輩で血のつながった弟で、椿は過去に友情を育んでいた相手で今は一方通行な想い人。この複雑な人間関係は常盤と楓雅の間だけじゃなくもちろん薔や椿との間にも存在する訳です。ブライト・プリズンシリーズの面白さの一つはこの複雑に絡まる人間関係にあると思いますね~。1巻の段階では分からなかった関係性が読み進めるたびに増えていくんですよ。これが本当に面白い!

 

とにかく今回は常盤が大変!教団本部で銀了に捕まり、紫苑は自殺未遂、杏樹には罵られ神子たちの諍いに巻き込まれる…。苦労が絶えない。教祖様もなんだか厄介そうな人だし。そして紫苑の自殺未遂の原因の一端は自分がついた嘘にあると悟った常盤は、急ぎ学園に戻ろうとするが、その道中で事故に遭ってしまう…!!もう、怪我してるんだから自分でバイクかっ飛ばしたりしたら危ないに決まってるよ!

 

そしてここからは!ようやっと!薔のターン!!常盤が事故に遭ったことを知った薔は、常盤に会うために学園を脱出することに!

ここの!一連の!楓雅さん!イイ人すぎかよーーー!!楓雅さんの好感度が留まることを知らないんですけど!冷静さを欠いていた薔を落ち着かせ、さらには脱出のために様々な根回しをして。またこの場面の挿絵が美しい。麗しい兄弟愛ってまさにこのことを示すんだろうな。

薔と常盤の二人はどっちも相手の事が大好きで、独占欲が強くてそれゆえに自分を犠牲にしたり相手のためを思って身を引いたりしないところが安心して見ていられますね。薔は時々感情のままに行動するときもありますが、冷静になったら現実的な手段を考えるし。大切だからこそ絶対に放さないし、自分の事も蔑ろにしないというそのスタンス、とてもいいと思います。BLにはよくいるからね、相手のためを思って離れる人とか自分の価値を理解してない人とか…。

 

薔は神子バスに乗り込み学園の外へ。ほとんど見たことのない外へと踏み出し、さらには常盤の病室まで怪しまれずに辿り着かないといけない。いや、本当に良く乗り切った!一番の難関・紅子ママ怖え~。ここはハラハラしましたね。於呂島さんが優しくて助かりました。そして薔と青一が対面。ゆっくりと3人で語らう時間が早く訪れるといいのにな~。でも椿ちゃんって呼ばれるのは読者的にも違和感が(;^ω^)

 

エピローグは夢見心地の常盤。今まで読んできた中だとこの4巻のラストが一番好きかも。無意識に薔に甘える常盤が良かった!普段と逆の立場な二人がいいな~、好き。でも早く常盤快復して!薔を抱いてあげないと。常盤は怪我を負って期限も迫っていてと切迫した状況ですが、次巻でちゃんと龍神を降ろすことはできるのか?今回は薔の一人えっちしかなかったしね、二人のラブラブなところ見たいですね~。それでは次回「ブライト・プリズン 学園の薔薇は蜜に濡れる」の感想でお会いしましょう!シリーズものにどっぷりとハマってるの、やっぱ楽しいなあ~!