割れ鍋に綴じ蓋

作品の感想などを気ままに。BLが苦手な方はご遠慮ください。

「ブライト・プリズン 学園の穢れた純情」感想

6月なのにめちゃくちゃ暑いですね!マスクして出かけるのも暑いし、家にいるだけで暑い!さすがに耐えられなくてエアコンつけちゃいました。 

本当はもっと早く更新しようと思ってたんですが、ちょっと忙しくてなかなかできませんでした。後回し癖治さないといけないですね…。

 

今回はシリーズ3冊目のこちら、「ブライト・プリズン 学園の穢れた純情」です。

ブライト・プリズン 学園の穢れた純情 (講談社X文庫)

 苦難を乗り越え愛を育んできた常盤と薔に、新たな試練が訪れる。教祖が突然下した異動命令により、竜虎隊隊長の常盤は椿と共に学園を離れることに。代わって赴任することになる常盤の叔父・蘇芳は、学生時代の椿を弄んだ下劣な男だった。過去の因縁から常盤を憎む蘇芳は、降龍の儀にかこつけて、常盤が愛し育てた薔を抱き、遺恨を晴らそうとする…。別離の苦しみに耐え常盤を待つ薔と、薔のために苦肉の策を講じる常盤の運命は!?

(「ブライト・プリズン 学園の穢れた純情」あらすじより)

今作でも薔と常盤に試練が降りかかりましたね。この二人なら乗り越えられるとは思っているんですが、毎回大変そうです。しかも今回は薔的には結構ショッキングなものだったし…。早くこの二人が穏やかな生活を送れるようになりますように、と思っているけどそんなに簡単にいかないよね~。

そして薔と常盤を取り巻く人たちの関係にも進展が!こっちも先が気になります。今後に期待!

 

今作の始まりは懲罰房から出てきたから。薔は前巻の終盤で懲罰房行きになった茜を迎えに行きますが、その後茜の部屋で襲われてしまいます。

ムードメーカーな茜は読んでいてこっちも明るくなれるし、いい子だな~と思っていましたが、茜は一友人としての好意だけを持っていた訳ではなかったんですね…。うーん、でもこれで茜のことを嫌いになんてなれないですね。茜の言動の端々からは薔のことが純粋に大切だって気持ちが伝わってくるもの…。

というより絶対椿さん何かしたでしょ!手作りのお菓子怪しいよ!何か仕込んだんじゃないの!

 

今作で新たに判明したことが多かったのは楓雅椿の周辺ではないでしょうか。

楓雅さんの想い人が椿さんだというのは前巻で判明していましたが、時計塔からずっと椿を見ていたりとか、過去に何かをして椿に許されていないのではないかなど、なかなか一筋縄ではいけないような関係のよう。

そしてなんと楓雅さんが教祖の息子!!!!??びっくり過ぎる!!2巻で山吹先生と話をしていたのはそういう立場だったからなんですね。

でも本当に楓雅さんいい人~。1巻から薔のよき友人であり兄であり、と良い人なのはよくわかっていましたが巻を重ねるごとに良い人度が増していく!そしてただ良い人なだけではなく、一途に恋する青年という面も見えて本当に魅力的で素敵。楓雅さん好きだわ~。楓雅さんの恋が報われる日が来ますように…。

 

そして椿さん。茜に何かしたでしょ?な疑惑は残っていますが、この人もまた魅力的です。

対外的には常盤の恋人と見られていても関係を持っていたのは過去の話、と常盤からすれば終わった話のはずですが、椿さんは今でも常盤との間にもやもやとした思いを残したままですよね。でも自分を取引に使えって言ったり、嫌みったらしいことばっかり言ったりするし、月に一度の陰降ろしをしている相手は楓雅だけだし…。素直じゃない人ですねー。でもそこも好き♡(盲目)

常盤も椿も相手を大切に思ってはいるのに肝心の本音や本心を隠したままで、この二人の関係も穏便には済まなさそうです。常盤はもちろん薔の恋人なわけですが、常盤と椿のままならない関係性もすごく好きですね~。

 

そしてお待たせしました、メインである常盤について。

まずは常盤の昇進。も~この二人が穏やかに過ごせる時間はいつになったら来るの~!!薔が陰神子であることを隠しながらなんとか降龍の儀をこなしていこうとしていた矢先に異動!?薔は普段から常盤が椿と一緒にいるところを見て嫉妬していたのに、その椿と共に学園を去るなんて…。身近に常盤がいないのもすごく不安だし、またこれが薔がどうこうできる問題でもないのがまた歯がゆい!

でも初めての陰降ろしはラブラブでよき♡薔は可愛いし、常盤色っぽいなあ。「いい子で待ってるよ」って台詞がまたいいですね。本当は常盤のそばにいたいけど、守られるだけの存在ではなく対等な立場で隣に立っていたいんだよね…。

 

そして竜虎隊隊長代理として着任した蘇芳絡みの事件。

まー嫌な奴!贔屓生時代の椿をいいように扱ってたという前情報から嫌な奴なんだろうな、とはわかってましたがそれにしても下衆な奴でした。

ここで蘇芳に襲われかかった薔を助けに来たのは剣蘭!やはりここぞという時には西王子の人間らしいところが出てくるものなんでしょうか。それに比べるとやっぱり薔は心根の優しい感じがします。薔は自分も西王子の人間なのに…と思っていましたが、本当はそうじゃないんですもんね…。さりげなく表れる血筋の違いでしょうか。

 

その後、火が燃え移った降龍殿から飛び降りた薔を受け止めたのは楓雅と常盤!!二人のおかげで薔はなんとか火の手を逃れましたが…。目の前で蘇芳が火だるまになったところを見てしまったらそりゃ声も出なくなっちゃうよ…。

常盤とはしばらく離れ離れだけどまだ近くに楓雅さんがいてくれていてよかったのかな…とか思ってたら!またさらっと新たな事実が!?薔は楓雅さんの弟!?なんですと!?

 

今回も怒涛の展開の連続でした。エピローグでは常盤が背中を任せられる人・青一さんが初登場!良き協力者っぽいですね、今後の関わり方が気になります。そんでもって子供時代の薔かっわいい~~~!!

次巻では元陰神子の紫苑が登場とか。人間関係がますます複雑になってゆく中で薔と常盤に安寧が訪れるのはいつなのか…。それでは次回「ブライト・プリズン 学園を追われた徒花」の感想記事で!